気になること その5
帽子といえば、長逝した明大ラグビー部の北島監督の帽子は風格があったし、英国の大作家サマセット・モームの愛用したツイードの帽子も、看板のように尊敬されていました。
ショルダーも、時と人によっては幅を利かし、渋いイメージをつくりだしています。
しかも、調べてみると、あのショルダーは昔の陸軍で使われていた図嚢の伝統を受けたものです。
辞典には「地図などを入れ腰に下げる皮製のかばん。軍人などがよく用いる」となっていますが、森鴎外の『鶏』という小説にも図嚢が出ています。
五十年前の敗戦時に、いちおう姿を消したものだが、あのオジさんルックのショルダーは、まだ死滅せずに生き残っていることになります。
そうなると、今の学生たちがよく背負っているリュックサックの野暮ったさに比べ、あの老教授たちの肩掛けのショルダーバッグも、なかなかシッカリと存在理由を持ちつづけていると思いたくなるのです。